先日のゲームマーケットでお会いした人から、外国人にも受け入れ易い将棋ボードをオリジナルで作るご相談を受けました。
その方には既に自分の頭の中におおまかなデザインイメージがあるとのことでしたので、後日お話しましょうということになりました。
こういう命題が与えられると自分でも作りたくなってきたので、僕もボードゲーム作家として将棋をデザインしてみる事にしました。こういう衝動を押さえられないのが物作り人の性(サガ)ですね。
さて、自分なりに考えてみると、実は僕は将棋を今までに子供時代に2、3回しかしたことがありません。
将棋はかなり複雑なゲームです。お洒落でしかもユニバーサルデザインにするのは一筋縄では行かない作業です。まずは基本ルールの確認のために、Wikipediaで将棋を検索して、ルールを頭に入れることをしました。
はは〜、やっぱり結構複雑だですね。長い年月を経てルールのバグを改訂してきた結果の上に成り立っているゲームという印象をうけました。
ボードゲーム作家としては、こういう場合はルールを整理してよりシンプルに直してしまうのが一番の近道なんですけど、それでは「将棋」としてのボードゲームにならないので、デザインを将棋のルールに合わす努力をすることにします。
まずはボードデザインです。
将棋は9×9路盤です。誰でも頭に浮かぶチェスボードのようなチェックデザインでは単なる装飾のデザインにしかならず、ルール上の特性を反映させたデザインとは言えません。ボードゲームにおいてデザインは単なる飾りではなく、ルールや機能を効果的に反映しているものでなくては意味がありません。ルールを読んでいて自陣3列と敵陣3列には深い意味があることに気が付きました。そこでボードを自陣3列、敵陣3列、中立地域3列に3分割してデザインすることにしました。(画像1)
これでボードのデザインがルールを反映させたものになり、しかもデザインとしてお洒落に美しく仕上げることができます。
次は駒のデザインです。
将棋の駒には3つの特性が必要不可欠でることがわかりました。
1:王様以外の駒には敵味方の区別があってはならない。(取った敵の駒を自分の駒として使うため)
2:駒の裏面には成りの時に新しい動きの属性と表面の属性の2つが表現されていなくてはならない。(取った敵の駒を使うので、裏面を見ただけでも表面の属性が分からないといけない。使う時は表面なので。)
3:駒には方向性が示されていないといけない。(敵も味方も同じ駒なので、攻める方向性が無いと途中でどちらの駒か分からなくなってしまうから)
さて、これは厄介です。特に3が厄介です。将棋では駒の形を変形5角形にすることで方向性を表現しています。既存のタイルには形状で方向性が表現できるような形はありません。そこでタイルに半分色を付けることで方向性を表現することにしました。(画像2)
1と2の解決には将棋では文字を使うことで解決していますが、今回の命題である外国人にも分かりやすいという意味ではたとえアルファベットであったとしても得策とは言えません。またキャラクターやアイコンも特定地域文化の外国人を対象とするなら考えられますが、世界中の外国人と規定すると得策とは言い難いデザインとなります。それにキャラクターやアイコンでは複雑な駒の動かし方を覚えなくてはなりません。できれば駒のデザインを見ただけで、その駒の動かし方が誰にでも分かるのが最善です。
そこで矢印を使ってデザインしてみることにしました。単純な矢印では単なるベクトル将棋となってしまい、デザイン性やお洒落さに欠けてしまいます。
そこで以前に自作の「カチットナイト」で作った方向性をデザインした駒をリメイクしてデザインすることを試みてみました。(画像3)
やっと全体のデザインが出来上がったので、これから実作です。
はたしてタイル製ボードゲーム『将棋』は素敵に出来上がるでしょうか。お楽しみに。
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